約束どおり、id:kusigahamaさんへの応答(2)
長くなったので、ここでいちどエントリを改める。ここからは公民館と関係なく、僕が普段から、あなたやあなたの周辺について考えていることの説明。これがあったからこそ、僕はブックマークであのような発言をしてしまったのだから。
コードが書けるというのはすごい力だ
ウェブエンジニアは、ネットの世界において、レッシグが言うところの「アーキテクチャ」を作ることができる。書かれたコードはネットにおける人々の振る舞いを規定する。コードが即ち法律となる。否、人の恣意が入りうる法律と違って、コードは機械的に適用されるものだから、むしろ物理法則に近いかもしれない。
だから、ウェブサービスをリリースするというのは、芸術作品の発表であると同時に、いわば法律の公布であり、新種の世界法則の提示だといえる。コードが書けるという能力は、そのくらい強大なものだ。
技術者だからこそ自重してほしい
なのに、あなたやあなたの周りのギークたちは、自分達が持っているそうした「力」について、あまりに無邪気というか無自覚であるような気がしてならない。
この人たちは無意識のうちに、あるいは意図的に(だとすればもっと罪深い)、技術強者ばかりが得をするような風に世界を作り変えちゃうんじゃないのか? しかもそれに何の罪悪感も抱かないんじゃないのか?
杞憂なんだろうけれども、実は僕は、そんな不安を時々感じてしまっている。僕がブックマークで殊更にあなたを「マッチョイズム」と言って批判したのは、かねてから勝手にそういう心配を抱いているからでもあった。
あなたのような技術のある人、つまり、ネットの世界を自分の思うように作り変えることのできる人だからこそ、積極的に差別を容認する粗暴な言動は厳に慎んでほしい。そんな思想で「アーキテクチャ」を作られてはたまったものではない。