約束どおり、id:kusigahamaさんへの応答(1)

ことの次第

手段は明らかにNGだが動機については同情できないでもない。↓kusigahama氏のような技術(情報リテラシ?)マッチョイズムには賛同できない。でも「チケットが数分で完売!」は電話しかないnet以前からあったのを思い出した。

http://b.hatena.ne.jp/another/20070927#bookmark-5991346

に対して

文明の進歩を遅らせようとした点で罪深い。ネットできない人はもっとコンプレックスを感じるべきだし差別されるべき。/↑id:anotherは他人のリテラシ向上を妨げて自分の既得権益を保護してるだけじゃん?

http://b.hatena.ne.jp/kusigahama/20070926#bookmark-5991346

と反応され、これにカチンと来た僕は、深夜の勢いで

[カチン!][手袋確かに拾いました]えーと、今宵はもう寝ますが、48時間以内(つまり9月30日の午前2時頃くらいまで)にdあるいはいずれかのgで応答します。>id:kusigahama / そうかやれやれ、僕も「既得権益」にしがみついている者と認識されつつあるのか……。

http://b.hatena.ne.jp/another/20070928#bookmark-6012568

とやり返した。ここで「48時間以内」と言ったのは、書きはじめると相当な長文になることが予想できたからだ。そして予想通り長文になった。以下、約束の通りに応答をする。

既得権益」とはなにか

まず、公民館の件から。たぶんあなたはこう考えたのだろう。

  1. ネットリテラシーを普及・啓蒙させることは常に善であり、文明の進歩の証である。
  2. また、既にネットを経験している者は、まだネットに触れていない者にも当然ネットの恩恵を分け与えるべきであり、そうしない者は、自分とネット未経験者の間にある格差を温存しようとするエゴイストである。
  3. しかるにこの公民館長は、ネットによるアクセスから人々を妨げ、1. にある文明の進歩を妨げた。
  4. そしてid:anotherは、既に自分がネットへのアクセスを享受しているにもかかわらず、人々をネットから遠ざけた公民館長を、部分的ではあれ支持したがゆえに、2.によって非難されるべきである。

もしも思考のルートが上の通りならば、冒頭の「既得権益」という言葉は、既に僕らがこうやってネットを活用していること自体を指していることになるので、僕はhttp://b.hatena.ne.jp/another/20070928#bookmark-6012568で浅薄な誤解をしたことになる。この記事を書いていってやっと分かった。ああ、恥ずかしい。

でも、「ネットリテラシーの普及・啓蒙」って、公民館の最優先の仕事なの?

私営の貸し会議スペースならば、ネット予約が可能な者が有利であっても別に何の問題もない。しかし公民館の場合、その立場上「全ての地域住民に公平なサービスを提供すること」が、立場上第一に優先されるはずだ。そうすると、「ネットリテラシーの普及・啓蒙」という「別種の正義」は、ここではより優先度の低い問題として後回しになる。そして、「公平なサービス」という観点からは、予約システムがどういうものかというのは、全くの手段の問題だということになる。

件の館長はネット予約システムを勝手に塞いじゃったから新聞沙汰になったけれども、これを例えば、会議スペースの予約は電話でのみ受け付けることにして、ホームページには事情を説明した上で電話番号のみ記載する、ということにしていたらどうだったろう?

僕はそれで全然問題ないと思う。公民館の運営者と利用者がともに、システムが平等に回っていると納得できるのならば、予約システムがネットベースだろうが電話ベースだろうが、外野がとやかく口を挟むことではあるまい。

でも、仮にこういうケースだったとしても、あなたは「文明の進歩に逆らった!」と憤慨するのだろうか?