「趣味でつながろう」なんて考えたことがない

「高校まで話の合う人が周りにいなかったけど、大学になってはじめて自分の同類に出会って感激した」。その手のお話を、僕は何度となく目撃してきた。
でも僕は、上のような感激をしたことがない。なぜならば僕は、「自分の趣味」とは「自分が勝手に興味を持ったことの集合」に過ぎず、それは原則として他人と共有し得ないものである、と考えているからだ。
僕とて、自分が興味を持って面白いと思ったものを、人に触れて回ることはある。けれども、「ぜひ自分と同じような興味を持っていただきたい」とはあまり考えない。そんなことは強制できない、と思う。
自分にとって「趣味」とは一人けもの道を行くようなものであり、大勢でつるんで何かをするものではない。僕の思い込みでは、そんなに大勢の人が自発的に深い興味を持つ対象が一致することは、確率的に「まずありえないこと」なのだ。

追記

ブックマークでも指摘されましたが、「複数の人間が必要な趣味」というのもあるのでした。でも、そのへんの考察については、僕があまりに孤独な人だったということで、少なくとも今宵のうちは勘弁してください。

追記2 (4月17日23時ころ)

どうも僕が「完全に寸分狂わず自分と趣味が一致する人を求めている」かのように読んだ人が少なくないようだけど、そういうことではない。僕はそもそも、一致の程度に関わらず、趣味で人とつながることを、はじめから殆んど求めていない。まあ、全く求めていないかといえば嘘になるけれども。