(2004年1月11日記載)

今日偶然にあの悪名高いNHKの受信料の金額を知って、拍子抜けしてしまった。カラーの地上波なら年額1万数千円、衛星でも2万数千円なのだそうだ。もっと詳しい料金表は http://www.nhk.or.jp/eiso/howto1.html にある。月額にすると、地上波1300円弱、衛星2200円弱ということになる。

あれだけ多くの人々が強固に支払いに抵抗しているのだから、NHKの受信料とは、地上波でも月額5000-6000円、衛星ならば1万数千円くらいはするものなんだと漠然と考えていた。そして僕自身も支払い拒否運動を漠然と支持しており、可能な限り集金人からは逃げ回るようにしていた。

しかし受信料の実額が想像の1/4〜1/5と知って、僕の中では、受信料にまつわる全ての議論が説得力を失ってしまったのだった。だってこんなの、ムキになって支払いを拒否する金額じゃ全然ないじゃん!

おまえら、たったそれだけの額のために闘ってるの? おまえらの正義って、そんなに「安い正義」なの? あれは「正直者がバカを見る間違った制度」なのかもしれないけど、おまえらは毎月1300円程度のバカを見るのも我慢できないの? (衛星ならば2200円だが、それでも論旨は変わらない) だって、毎月「たったの」1300円だよ? ムキになる金額じゃぁ全然ないよ? まともな社会人なら痛くも痒くもない金額だよ? 一般市民の経済規模からしたら、こんなの誤差だよ、誤差? ちょっと上等なごはんを食べるのと同じくらいだよ? もっと理不尽な税金や準税金は世の中他にもあるよ? NHKには一応「広告を取らない放送の対価」って建前はあるよ? これだけの金額を踏み倒して反権力を気取るのって安っぽすぎない? おまえ、毎月携帯電話にどれだけ使ってる? おまえ、毎月タバコにどれだけ使ってる? おまえ、毎月ギャンブルにどれだけ使ってる? あー、くだらない、バカバカしい! それっぽっちの金額でガタガタごたくを並べてる方がよっぽどみっともねぇ。こちとら受信料が払えねぇほど貧乏しちゃぁいねぇやい!!

……と思ってしまったので、僕は俄然、NHKの受信料を律義に払う主義に転向することに決めたのだった。「月々1300円を渋るしみったれ」より「バカを見る正直者」の方が僕にはずっとましだ。金を払って精神的貴族を気取る方が僕の好みには合っている(やなやつだねー)。これが のぶれすおぶりーじ というものだよ。(w

ふふふ。わたくし、「非市民」になろうと思います。

でもさ、「NHKが受信料を請求するのはけしからんことだ」という考えがここまで普及するに至ったのはどうしてだろうね? 税金の類への素直な敵意? 本多勝一の功績?

(追記: 続編がid:another:20040125にあります)