(2006年7月22日記載)

この頃、京極夏彦の『陰魔羅鬼の瑕』(ISBN:4061822934)という作品を知って、まさに自分はこの作品の由良伯爵だったのだと感じた。
或る根本的な勘違いのせいで、人そのものこそ殺さなかったものの、人間関係、とくに異性関係に関するあまたの機会を、無邪気に殺し続けてしまったという意味で。
世間での評判はむしろ悪い作品らしいが、世界の真相に気づいたばかりの3年前の僕にとっては、あまりに身につまされる話だったことを覚えている。(ついでに、この作品の書評をひたすらネットで追い回した結果、キャラ萌え「だけ」で小説を読む人たちを発見してちょっと驚いたことも覚えている。)