Making of 「これぞまことのセルフブックマーク」

はーい、みなさんが大好きな、自己言及の話ですよー(w)。

作成を思いついた思考過程

寸゛さんがブックマークをやめる話を読んで、僕は本題とは全然関係のない、以下のようなことを考えてしまったのだった(寸゛さんごめんなさい)。
「なるほど。『いくらでもメタ言及ができてしまふ』。でも、その(理論上は)無限に続くメタ言及の列のたどり着く先が全然突拍子もないところだったら、どうなるだろう? 例えば、ありえないけど、当の発端になったはずの記事だったとか。いや待てよ、無限は無理だけど、その気になれば、はてなブックマーク上でn=3や4くらいのケースを再現することは可能じゃないか? (なぜ可能と思ったかは後述) ……いや、nの縮減をそこで止める必要はない。いっそ、n=1、つまり自分自身を直接ブックマークしてしまうというのはどうだろう? その方がインパクトも大きそうだし、しかも(なお若干の試行錯誤が必要になるとはいえ)作る手間もかからなくなってかえって好都合だ。よし、作ってしまおう」

エントリに番号が振られていることの重要性

「http://ほげらら」というURLに対してはてなブックマークのエントリを作成すると、「http://b.hatena.ne.jp/entry/http://ほげらら」というURLがそのブックマークに振られることは ブックマークユーザーならばご存知だと思うが、もしもブックマークへのURLがこの形式だけならば、参照する側のURLは必ず参照されるブックマークよりも必ず長くなるので、自分を参照するブックマークは全く作成不可能である。
しかし、はてなブックマークのそれぞれのエントリには個別の番号が存在しており*1、上述のURLのほか、「http://b.hatena.ne.jp/entry/エントリ番号」というURLでもエントリを表現することができる。この第二の形式を利用して、ある適当な番号を入れてやるならば、ブックマークエントリによる自己言及が可能となる。円環をなすブックマークエントリが可能だとひらめいたのは、このことが頭にあったからであった。

実験、あるいは、「[布石]」の意味

さて僕は、問題のエントリを作るに先立ち、未だ存在しないブックマークエントリのキリ番を祝うという、いささかナンセンスなエントリを作成した。これの目的は二点で、まだ存在しない番号のエントリについてのエントリを作成することが可能かどうかを確かめることと、作成時点でのエントリ番号の最先端はどのあたりにあるかを探ることだった。最先端の番号が仮にXだとするならば、ブックマークしようとするURLには「http://b.hatena.ne.jp/entry/(X+1)」を指定すればよろしい。そうすると、新規に作ったブックマークには自動的にXの次の番号(=X+1)が与えられ、めでたく自己言及が可能になるというわけだ。

工夫

しかし、はてなブックマークは、常時数百数千のブックマーカーが常駐しており、興味のあるURLを各々が手当たり次第に突っ込んでいく世界である。何か適当な新規エントリを作ったとして、普通の手続を踏んでそのエントリの次の番号を入れるという悠長なやり方では、その間に最先端の番号は平気で10くらい進んでしまう。いくつかの試行錯誤の後に僕がたどり着いた方法は、登録寸前の画面である「http://b.hatena.ne.jp/add?mode=confirm&url=http://b.hatena.ne.jp/entry/番号」というURLを用意して、ブラウザのURL欄から数字をインクリメントさせながら最先端の番号を発見し(タイトル欄が「はてなブックマーク - ソーシャルブックマーク」となっていれば、未使用の番号だと判別できる)、発見したところですかさず登録ボタンを押すというものだった。こうすると、決定的番号を入力してから登録ボタンを押すまでには1-2秒しかかからず、いかな大繁盛のはてなブックマークであろうとも、隙をついて間に誰にも割り込まれることなく、最先端の次の番号を取得できるする確率は幾らかある。この方法で(もなお)2-3回の失敗を経たのち、件のエントリが完成したのでした。ご静聴ありがとうございました。

*1:この番号は、通常は、自分でブックマークした記事を編集しようとするときにのみ確認できる。ブックマークをやっている人は、自分がクリップした任意の記事の鉛筆アイコンから編集画面を開いて、URLが「http://b.hatena.ne.jp/ユーザー名/edit?eid=番号」のようになることを確認していただきたい。