寄り道

雨にもかかわらず、帰り道に、通勤路線の途中の一区間だけをわざと歩いてみた。
思いがけず出会えた水準の高い本屋。朝まで営業を続けるのであろうバー。見るまいと決意さえしてしまえば、おそらくずっと無視できてしまうタイプの、町行く人々。
そのような発見さえ、意識しないと得られない、枯れかけた日常……。
おうちと会社を往復して、ただ液晶に写る文字とにらめっこするだけの毎日なんて、そろそろ飽きちゃってもいいのにね。なんで未だに飽きていないんだろう、自分は。