「募金を求められる=たかられる」という発想

日本の富裕層による寄付が少ない理由も簡単だ。大金持ちから寄付を引き出す「営業努力」をする団体というのが、ほとんどないからである。

なぜないかと言えば、理由はこちらのブログなどを見てもらえば分かる。寄付金の所得税控除を受けられる資格を持つ一般人相手の非営利団体は、日本赤十字ユニセフなど指折り数えるほどしかない。それ以外のほとんどは企業が自社の社会貢献(+税金逃れ)のために役所に大金を積んで設立した財団だ。そんな団体が金持ち相手に寄付集めの営業などするわけがない。

これにつけ加えて思うのだが、日本人は一般に、上述のような「営業努力」を「ゆすり・たかり」の類と同一視しすぎなのではないだろうか。会社などで募金箱が回ってきたり街頭で募金を呼びかけられたりしたとき、「畜生、何かたかりに来てやがる」と感じたり、「いわゆる慈善団体は収益を着服するに決まっている」と決めつけたりする人が、あまりに多すぎると思う。