2008年なのに2003年のようだ。良い意味で。

Web2.0」という言葉も死語になりつつある今日この頃にあって、Web2.0以前の匂いを堅持している奇特なサイトを見つけたので、褒めちぎってみたい。
そのサイトは、『妄誕F』という。
2000年代前半のネットを知っている者ならば、ここのスタイルに圧倒的な懐かしさを感じるだろう。ネットスラングの使用を意図的に排除していたり、「RSS? なにそれ? おいしいの?」と言わんばかりにタグ手打ちだったり(技術の進歩には敢えて背を向けているのかもしれない)。当時は比較的よくあったスタイルなのだが、近年ではこういうのはめっきり廃れてしまった。実際、日記の日付を5年くらい遡らせても、ほとんど違和感がない。
昨今のブログというかはてな界隈といえば、功利主義とかネットスラングとか、あるいは有名どころに取り入って目立とうとする虚栄心とか、そういうのばかりが目立つわけだが、ただ文章のための文章の楽しみを追求している態度には、久しぶりの清々しさを感じた。
このサイトの人ははてなダイアリーも持ってるんだけど、メインの日記サイトに対する副サイトという位置づけがこれまた昔っぽい。さらに言うと、2007年の時点で、ブックマークでもハイクでもなく、アンテナ→ダイアリーの順番ではてなを利用した、というのも驚くほど昔っぽい。
そして最大の驚きが、こんなに古風な人が実は1989年生まれであるという事実だ。そのくらいの年代で恒常的にネットをやっている人なら、普通は当たり前にヌルオタ化してしまうと思うのだが(超偏見)、そうした文化にはまるで染まっていないというのが奇跡的である(ただし、それ以前の日記サイト文化に染まっているだけとは言えてしまうかもしれないが)。
平成生まれからもこういう人が出てくるあたり、なんというか、まだまだ大丈夫だと思った。