「庶民」って誰だ

今日の時事と関係あるようなないような話。
経済の話となると、よく人は「我々庶民を馬鹿にした……」とか「庶民の一人として言わせてもらうが……」のようなことを言う。しかし僕は、どうしたものか、こういう物言いに共感できなくて困る。
そりゃ確かに、富豪的な生活をしていない、とか、経済的に慎ましい生活をしている、あるいは50人も収容できる屋敷になど住んでいない、のような意味では、僕を含め我々の大多数はまさに庶民と呼ぶに値する存在なのかもしれない。でもどうなんだろう、自分を庶民と称する物言いには、「自分は弱い者である。だから守られるべきだ」とか「自分は苦労しているのに」とか、あるいは「あの野郎ばかりいい目を見やがって」のような、あまり褒められたものではない感情が少なからず含まれているのではないだろうか? そんなふうにして僕は、自分を庶民と主張することに、違和感のような、えげつなさのような、そんな感情を抱いてしまうのである。