[lr]oyalty, ロイヤ[ルリ]ティ
あまりにも紛らわしい単語どうしについて調べてみた。即ち、「loyalty」と「royalty」である。
英単語の綴りと意味
loyaltyの意味は「忠誠心」、royaltyの意味は通常「(著作権などの)権利の使用料」である。なお、後者には厄介なことに「王権」という意味もあり、連想的には前者に近いので、なおさら混乱することになる。なお、頭文字がどちらであっても、[lr]oyalityは誤りである。
google:loyalty→6710000
google:loyality→61000
google:royalty→6970000
google:royality→67900
カタカナで表記するときの問題
さて次に、これらの単語をカタカナで表記することを考える。綴りからも明らかだが、困ったことに、カタカナで両者を書き分けることは、本来無理筋である。しかしhttp://www.sus4.co.jp/column/17.htmlによると、以下のような過程によって、ある程度の書き分けが存在しているという。
- まず、日本にはroyaltyの方が「ロイヤリティ」として先に定着した。
- のちに「ブランドへの忠誠心」という話がビジネス界で台頭するに及んでloyaltyが登場。ここで先住のroyaltyとの区別のために、意識してloyaltyを「ロイヤルティ」と綴る者もいたが、royaltyに引きずられて、loyaltyを「ロイヤリティ」という者も多かった。
- 言い換えると、「ロイヤルティ」と記されていればまずそれはloyaltyのことだが、「ロイヤリティ」ならば、royaltyとloyaltyのいずれでもありうる。
以上を踏まえつつ、これらの単語の各々の異表記について、ぐぐって調べてみよう。
列挙の凡例(順に)
- 検索語
- ヒット数
- 上位20件中(以下同じ)royaltyの意味で用いられている件数
- loyaltyの意味で用いられている件数
- 両方の意味についてふれてある件数
- どちらでもないもののミスヒットの件数
結果
google:ロイヤリティ→263000, 16, 1, 0, 3*1
google:ロイヤリティー→277000, 15, 1, 0, 4*2
google:ローヤリティ→1240, 12, 5, 0, 4
google:ローヤリティー→1410, 13, 1, 0, 6*3
google:ロイヤルティ→38000, 5, 15, 0, 0
google:ロイヤルティー→19000, 5, 10, 1, 4
google:ローヤルティ→856, 4, 2, 0, 14*4
google:ローヤルティー→ロイヤルティと同じ結果になった
結論
調査の結果、確かに、「royalty→ロイヤリティ」「loyalty→ロイヤルティ」という傾向のあることが確認できた。しかし、上で引用したサイトの説とは異なり、実際には「loyalty→ロイヤリティ」よりも「royalty→ロイヤルティ」の混同の方が多いようであった。
また、両者の見分け方が分かったので、ついでに記しておく。
- 「(顧客|カスタマー)――」「――マーケティング」とあれば、loyaltyである。
- 「――フリー」「――を支払う」など、当該の単語が金銭であるかのような文脈になっていれば、royaltyである。